更年期本レビュー①「閉経」のホントがわかる本 

「更年期について知りたいな」と思って本を検索すると、同じようなタイトルが沢山でてきて
どれを選んだらいいのか迷ってしまいますよね。
同じ”更年期”や”女性ホルモン”をテーマにしている本でも、著者や出版社によって内容は様々。
そんな時の本選びにお役に立てばいいなと思い、それぞれの本の特徴を紹介していきます。

今回紹介する本は

「閉経」のホントがわかる本 
 更年期の体と心がラクになる!

著者 対馬ルリ子・吉川千明
集英社 2020年9月
税別 1700円


※本の選択基準※
最新情報に触れられるように、2020年以降に出版したものを選んでいます。

【どんな本?】読みやすさ◎情報量◎雑誌を読んでいる感覚でスイスイ読める!

更年期についての本となると、医学的な話はつきものです。
なじみのない単語が並ぶと、読み進めるのが一苦労という方もあるかと思います。
でも、この本は雑誌「OurAge」のコラムがもとになっているので、読みやすくする工夫が随所にもりこまれています。

例えば

  • 【探しやすい】最初にindexがあり、知りたい単語からページに飛べる
  • 【見やすい】医学的な内容には、必ず図や絵が添えられている
  • 【わかりやすい】アンケート調査、読者の実体験、Q&Aコーナー、コラムなど

ほかにも、著者の吉川千明さんのコラムでは自身の更年期の症状と、それを乗り越えてきた過程が赤裸々に語られています。

いろいろな工夫がされていて、慣れない内容で最後まで読めるかな…という方におすすめです。私は、雑誌の特集を読んでいる感覚で「スッ」と読める本でした。

【著者について】長年の実績と経験に基づいた専門家

更年期の本をたくさん読んで分かったことは、著者の専門性によって本の雰囲気が全然違う!
ということ。まぁ~書いている人が違うんだから、当たり前なのですが。笑

著者が何を重要視しているのか、何を大切にしたいのか、何を伝えたいのかによって
比重が置かれている内容が変わってくるため、同じ更年期がテーマでも読んでいる感覚が全然違ってきます。

ということで、著者がどんな人か(どんな専門家/職業で、どんな経歴や人生を歩んできて、どんな分野で活躍しているか)がわかるリンクを紹介していきます。


対馬ルリ子 / 産婦人科医・医学博士対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座院長。

専門は周産期学、ウィメンズヘルス。

クリニックでの診療だけでなく、女性の健康啓蒙、女性支援の活動、人材育成など
様々な場面で活躍されています。

対馬ルリ子女性ライフクリニック
対馬ルリ子公式サイト 

対馬先生は、テレビはもちろんのことYouTubeなどにも積極的に出演されています。
とても分かりやすい話し方で、”人生の先輩として語りかけてくれる感じ”がして、個人的にとてもすてきな方だなぁと感じています。

吉川千明 / 美容家・コラムニスト
オーガニックスペシャリスト・メノポーズカウンセラー

オーガニックコスメや植物美容を日本に広めた第一人者。
2020年から対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座で「更年期カウンセリング外来」を担当。


 肩書のオーガニックスペシャリスト、とかメノポーズカウンセラーだけ見ると「??一体どんなことしている人?」と思ってしまいました。でも、オフィシャルサイトを見ると長年にわたって、美容と健康に対してかかわり続け、日本の「ナチュラルビューティー」を引っ張り続けてきた人なんだ!と分かります。

お二人は「女性のための健康講座」として「女性ホルモン塾」を2002年より通算160回開催しています。160回も続けるとは、すごいことですよね!
それぞれ自身のお仕事や事業をしながら、この活動を続けてきたということから、お二人の並々ならぬ熱意を感じます。

【詳しく書かれている内容】HRTと患者力

この本では、ほかの本に比べて特に以下の三つに力を入れて書かれていると感じました。

①かなり詳しい!ホルモン補充療法についての解説

第九章「女性ホルモン対策」では、かなり詳しくホルモン補充療法(HRT)が書かれています。
ほかの更年期の本は、概要の紹介にとどまっているのがほとんどでしたが、こちらの本は
とても具体的な内容が紹介されていました。
☆マークは他の本ではほとんど載っていない内容です。

  • HRTを受けるまでの流れ
  • ホルモン剤の投与方法のシュミレーション☆
  • 薬剤の種類☆
  • 健康保険の適用
  • HRTと健康リスク☆

これを読めば疑問や不安をほとんど解消できそう!
やはり、対馬先生が書かれている本だからだろうな、と感じます。

②「患者力」の育て方

6章では、著者二人の対談形式で「患者力」について語られています。
良い先生に出会い味方になってもらうための、患者側の知識や受診する際の心構え。
これを「患者力」と表現されていました。

たしかに、担当医師と話せる時間はとっても短い!(保険診療だとしょうがないこと、だそう)
限られた時間の中で、自分の症状・悩みを伝えきることって準備していないと難しいですよね。
私は子供の症状を伝えるときは経過をメモしておいて「熱は一昨日からこうで、食欲は~」と整理して伝えています。でも、自分のことだと忘れがち。

それに、担当医の診断やアドバイスを理解するにも、基本的な知識があるとないとでは話の進み具体が違います。単語ひとつがわからないと、先生が説明してくれていても頭に入ってこなくなります。

そういった意味でも、女性の体について、ホルモンについての基本的な知識を持って受診するのは
とても大切なんだな、と思いました。

また、6章の中では「良い先生」はどう探したらいいのか、も紹介されていました。
婦人科ってなかなか「どこがおすすめ?」と聞きにくいですよね。自分で判断できるポイントを知っていると、格段に探しやすくなって助かりました。

【関連サイト】 

本の出版にあたり、集英社が主催した講演会の様子がYouTubeで視聴できます。

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